地福寺(気仙沼)

地福寺(気仙沼)
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2015年3月27日金曜日

「あざぶだい」(麻布台学校教育研究所)に掲載されました

麻布台学校教育研究所の発行する月報「あざぶだい」に掲載していただきました。

海はいのちのみなもと、海はいのちの輝き
気仙沼地福寺 住職 片山秀光

我が寺の南東に面した部屋から海に突き出た小さな岬が望める。そこに生えている一本のケヤキの木が、東日本大震災の大津波から、十人の命を繋いだ。

あれから四年の月日が流れた。

寺から海岸に至る周辺は危険区域となり、あたり一面枯れ野原で、工事関係者の事務所に緑十字の安全マークの旗がはためいている。

あの日三月十一日、杉ノ下地区に住んでいた斉筵のお婆ちゃんはただならぬ揺れに津波が来ると直感し、主人と息子と3人で近くの岬に走った。「あっ、家が流される」と振り返った時には主人と息子は波に呑まれて消えていった。海岸からバイクを岬にあげようとしていた富永さんも一瞬の間に黒波に巻き込まれた。

海辺に住んでいた漁師の佐藤さんは何かあった時は「位牌を持って逃げろ」と親から常々言われていたという。

その通りにポケットに位牌だけをねじ込み岬に逃げ、たどり着いたその時、足元に梯子が流れて来たのだという。すぐさまケヤキに梯子をかけ「上がれ、上がれ」と叫ぶ、周りにいた斉藤さん、菊田夫妻、三浦夫妻等八人がよじ登り、フェンスに引っかかった瀕死の富永さんを引き上げ都合十人が岬で一晩を明かし、一命を取り留めたのである。

現在、周辺は海岸線の膨張麹や、圃場整備事業などの工事車両が忙しげに行き来し、かさ上げの土や砂利が海辺のあちこちに盛り上げられている。

国道はこうした車で渋滞が慢性化し、お昼ともなれば昼食を買い求める作業員でコンビニやスーパーが込み合う。ガレキを片付けるのにまる三年を要し、わが檀家の八百人は未だ仮設暮らし、公営住宅や戸建住宅、商業、工業地域へのかさ上げ工事がようやくその緒に就いたといっていい。

梯子をかけた佐藤さんは、九十二歳、再開したわかめ養殖に現役で精出している。

一命を取り留めた富永さんは言う。

「海は宝だ、津波は自然のことだ。」と再び船を繰り出し、漁をしている。

「海と生きる。」が気仙沼の復興スローガンである。

未だ親兄弟の多くに行方不明者を抱えているが、何かの事故のように海を恨んではいない。時に怒り狂う海を受け入れなだめ、恵みを頂く古来からの生き方を再開しているのだ。

「海は恐ろし 海は懐かし今朝の秋」
菊田島椿 海の俳句大会特選句

(再掲)4月1日 「俺の漁歌」大城バネサ ヒット大祈願&新曲発表ライブ

(再掲)当地に心を寄せていただいている歌手・大城バネサさんが4月22日に新曲「俺の漁歌」をビクターから発売します。

これに先立ち、4月1日(水曜日)地福寺にてヒット大祈願&新曲発表ライブを行います。入場無料のイベントですので、ご友人などお誘い合わせのうえご来場ください。

  • 大城バネサ「俺の漁歌」ヒット大祈願&新曲発表ライブ
  • 日時:平成27年4月1日(水)午前10時〜
  • 場所:地福寺(気仙沼市波路上牧44)
  • 内容:新曲「俺の漁歌」ヒット大祈願とライブ
  • 入場料:無料(気軽にご来場ください)
  • 備考:100名様に記念品のプレゼント(大城バネサオリジナルトートバック、美里のごはん)
  • チラシは地福寺にございます。お越しの際にお持ち帰りください。
大城バネサ(おおしろばねさ)...アルゼンチン生まれの日系アルゼンチン人2世(父親は沖縄県生まれの日系1世、母親は父母が沖縄県出身の日系2世)。血液型:O型。祖父母が沖縄県出身のため、幼少の頃から沖縄民謡や日本の音楽に親しむ。
2001年「NHKのど自慢」アルゼンチン大会に出場し優勝。翌3月、「NHKのど自慢・チャンピオン大会」にアルゼンチン代表として出場、海外勢初の(平成13年度)グランドチャンピオンとなった。日本語のレッスンとボイストレーニングを経て、2003年「鷗も飛ばない海だよ」でデビュー。


2015年3月19日木曜日

お便りをいただきました

当地に心を寄せていただいている松浦様より、心のこもったお手紙とあたたかい風合いの巾着袋をお送りいただきました。

本当に有難うございます。

三陸遍路みち


三陸遍路みち考案者で三味線奏者の駒幸夫さんが地福寺を訪れ、三陸遍路みちの寺院目じるしを立てて下さいました。

このあと南三陸町の大雄寺まで歩かれるとのこと、旅のご無事をお祈りしております。

三陸遍路みち考案者の駒幸夫さん、慰霊碑を巡り追悼の行脚(産経ニュース

東日本大震災からの復興を祈るために三陸沿岸の寺院60カ所をつなぐ「津波霊場・三陸遍路みち」を考案した三味線奏者の駒幸夫さん(60)が犠牲者を追悼しながら、コースを歩いている。駒さんらは12日、宮古市の3寺院を訪れ、震災の犠牲者を追悼する慰霊碑の前で手を合わせた。

遍路みちは、岩泉町から宮城県南三陸町までの60カ所の寺院を巡る約330キロで、駒さんは11日に岩泉町の宗得寺(そうとくじ)を出発。約2週間かけて南三陸町の大雄寺(だいおうじ)を目指す。

米ニューヨーク在住で釜石市鵜住居(うのすまい)町出身の駒さんは津波で母親を失った。駒さんは「遍路みちを作っても実際に歩いて育てていかないと追悼にはならない」と話す。

遍路みちのマップ作りを手伝い、駒さんと行脚した神戸市の大学生(24)は「景色を1つ1つ見て、肌で感じる寒さや風の強さなどを伝え、少しでも復興の役に立ちたい」と歩みを進めた。(産経ニュース

4月1日 「俺の漁歌」大城バネサ ヒット大祈願&新曲発表ライブ

 当地に心を寄せていただいている歌手・大城バネサさんが4月22日に新曲「俺の漁歌」をビクターから発売します。

これに先立ち、4月1日(水曜日)地福寺にてヒット大祈願&新曲発表ライブを行います。入場無料のイベントですので、ご友人などお誘い合わせのうえご来場ください。


  • 大城バネサ「俺の漁歌」ヒット大祈願&新曲発表ライブ
  • 日時:平成27年4月1日(水)午前10時〜
  • 場所:地福寺(気仙沼市波路上牧44)
  • 内容:新曲「俺の漁歌」ヒット大祈願とライブ
  • 入場料:無料(気軽にご来場ください)
  • 備考:100名様に記念品のプレゼント(大城バネサオリジナルトートバック、美里のごはん)
  • チラシは地福寺にございます。お越しの際にお持ち帰りください。
大城バネサ(おおしろばねさ)...アルゼンチン生まれの日系アルゼンチン人2世(父親は沖縄県生まれの日系1世、母親は父母が沖縄県出身の日系2世)。血液型:O型。祖父母が沖縄県出身のため、幼少の頃から沖縄民謡や日本の音楽に親しむ。
2001年「NHKのど自慢」アルゼンチン大会に出場し優勝。翌3月、「NHKのど自慢・チャンピオン大会」にアルゼンチン代表として出場、海外勢初の(平成13年度)グランドチャンピオンとなった。日本語のレッスンとボイストレーニングを経て、2003年「鷗も飛ばない海だよ」でデビュー。

「三陸海岸」大城バネサ

2015年3月15日日曜日

4月1日 大城バネサ 新曲「俺の漁歌」ヒット大祈願&新曲発表ライブ

4月1日 10時〜、歌手の 大城バネサさん が地福寺にて新曲「俺の漁歌」ヒット大祈願&新曲発表ライブを行うことが決定しました。

  • 日時:4月1日 午前10時〜
  • 出演:歌手 大城バネサ
  • 新曲「俺の漁歌」(2015年4月22日)
  • 「漁歌の決定盤 ここに誕生! - 「獲ったぞエー!」大海原へと果敢に挑む漁師の心をバネサが歌う!」
  • ヒット祈願をおこなったあと、新曲発表ライブ、記念植樹を行います。
  • 入場無料ですのでお気軽にご来場ください。
詳細については改めて地福寺ブログにてご案内いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

2015年3月10日火曜日

東日本大震災 毎歳忌をおこないました

3月10日、当地は暴風のなか、東日本大震災 毎歳忌をとりおこないました。
沢山の皆様にご来場をいただき、本当にありがとうございます。

大本山妙心寺布教師会会長 島根隆興寺住職 柳楽一学師に「里帰り観音の功徳」法話をいただきました。
来場者の皆様には、実際に里帰り観音に触れていただきながらご説明いただきました。
沢山の供物をお預かりいたしました。ありがとうございます。
大きなお花をお預かりいたしました。ありがとうございます。
続いて、東日本大震災 毎歳忌の法要を行いました。
大学生のボランティアのみなさんにもご焼香をあげていただきました。ありがとうございます。
皆で延命十句観音経を声高らかに唱和いたしました。
会場を設営し、筑前琵琶の川村旭芳師にご奉納いただきました。
静御前の悲恋物語や、牛若丸と弁慶の有名な場面を筑前琵琶の演奏でありありと再現していただきました。

また、東日本大震災の鎮魂のために琵琶曲「阪神淡路大震災犠牲者追悼式典に寄せて」を演奏していただきました。
毎歳忌を終え、筑前琵琶奏者の川村旭芳師と。師の手には里帰り観音が。
大学生ボランティアのみなさんと一緒に記念撮影していただきました。みなさんに鎮魂の祈りを捧げていただきました。ありがとうございます。

2015年3月6日金曜日

3月10日 東日本大震災 毎歳忌



地福寺では、平成27年3月10日(火曜日)午後17:30より、東日本大震災 毎歳忌をおこないます。(開始時刻が変更となりましたのでご注意ください)
  • 平成27年3月10日 火曜日 午後17:30より
  • 地福寺 本堂にて
  • 灯明料 千円のご奉納をお願いいたします。
  • 法話「里帰り観音様の功徳(くどく)」臨済宗妙心寺派布教師会 会長 / 島根県 隆興寺 住職 柳楽一学師
  • 供養会
  • 奉納演奏 筑前琵琶 川村旭芳(きょくほう)

筑前琵琶奏者 川村旭芳 (かわむら きょくほう)

筑前琵琶日本旭会 総師範 故・二代柴田旭堂に師事。箏・尺八・胡弓など四人の演奏家で結成された和楽器ユニット「おとぎ」代表。門人会「筑前琵琶 川村旭芳会」を主宰。

独奏の弾き語りを中心に、和・洋・民族楽器、朗読、舞踊など他分野との共演にも力を注ぐ。新しい琵琶語り曲の創作にも取り組み、母・川村素子の作詞による作品も発表している。琵琶語りと朗読・演劇などを組み合わせた音楽劇の創作活動をライフワークとする。1998年より2010年まで、和楽器オーケストラ 邦楽合奏団「鼎」(KANAE)に所属。現代曲においては薩摩琵琶も演奏し、関西の楽団などへの助演も数多い。神戸市出身・在住。

また、大阪・吹田市の松泉寺住職 圓正鑑様より供物(羊羹)を預かっております。誠にありがとうございます。

この供物は、東日本大震災 毎歳忌にお越しの方にお土産として持ち帰り頂きます。

うすき雛の会様より、うすき雛をお送りいただきました


うすき雛の会様より、うすき雛をお送りいただきました。ご希望の方にお譲りしておりますので地福寺にいらした際にお声がけください。

また、うすき雛の会 代表の石﨑しおり様よりお手紙を頂戴しましたのでご紹介させていただきます。
今朝、庭の片隅でフキノトウのつぼみを見つけました。
寒い日が続いていても 春は少しずつ、少しずつ近づいてきて私達を喜ばせてくれるんですね。
心の中で ありがとう とつぶやいていました。

昨年の秋には気仙沼の秋刀魚をいただきました。
臼杵でも目黒の様に さんままつり が開催され大盛況でした。気仙沼から届いた秋刀魚と臼杵のカボスで、開場はかつてないほど賑わいました。
市役所では気仙沼の市長さんと臼杵市の間で、防災協定の調印式が行われました。目黒の区長さんもご一緒でした。(目黒区とはすでに防災協定は結んでいるそうです。)
トップどうしの交流は嬉しいですネ。

今年の雛めぐりは2月5日〜3月22日まで開催します。

8月の頃から準備をはじめ、11月から本格的に雛の会の人たち(20人)が頑張って1組ずつ心を込めて作ってくれました。1組作るのに2時間はかかります。自分の手元を離れる時は、娘を嫁にやる心境になるそうです。それでも”雛をつくるのは楽しい”と言ってくれるので、少しホッとします。
感謝、感謝。

誰が言うともなしに”気仙沼に送る雛も作らんとな・・・”
思いはひとつです。
離れていても、まだお会いした事もない人達でも 雛 で心はつながっています。
今年も わらべ に返って 雛祭り 一緒に楽しみましょう。

うすき雛の会
代表 石﨑しおり様より

2013年3月10日 鎮魂と祈りのつどいにて 竹灯篭はうすき竹宵様による

気仙沼みなみ商工ネット「ひとまちづくり新聞」

寺務所から見えるドウダンのつぼみ
山門の横にはフクジュソウが
3月に入り、日差しがある屋内だと暖かく感じる日が増えてきました。

地福寺の寺務所から見えるドウダンにつぼみがついているのに気がつき、春を感じて散歩していると、山門のすぐ横にある松の下に可愛らしいフクジュソウが顔を出していました。

まだまだ地福寺の周辺、波路上の風は冷たいですが、春は確実に近づいてきているようです。

気仙沼みなみ商工ネットの「ひとまちづくり新聞」がございます。気仙沼の南の玄関口としての当地の発展と会員相互の情報交流による、みなみ地域のひとまちづくり振興に寄与することを目的とするものです。

地福寺では現在、30号記念号として平成27年新春会談「地域・震災・そして未来『歴史に残せるか・・・』をお配りしています。

  • 震災・行政と地域の関わりについて
  • 震災後の気仙沼の復興・再生への住民の関わり実態について
  • 気仙沼市の人口減少問題について
  • 今後の気仙沼、階上地域の歩むべき理想的な再生は
  • 震災と復興再生に思うこと
上記のテーマについて、様々な年代、立場の6名の方々の対談形式となっており、非常に意味深い冊子となっております。

地福寺にお越しの際にはぜひ手にとってご覧ください。