地福寺(気仙沼)

地福寺(気仙沼)
「めげない にげない くじけない」地福寺のサイトへようこそ

2016年1月7日木曜日

「こころ新たに」


新年早々からと言われそうですが、お釈迦さまは「この世は無常である。」すべては移り行き、時は流れ、世は移り変わると説かれました。

仏教の根本思想「諸行無常」の教えであります。

無常と聞くと仏教は暗いな、と言われかもしれませんが、いやいや諸行は無常なるが故に年が改まり、気持ちも新たに新年を迎えられるのであります。
大震災の恐怖も、様々に思い悩んだあの時も、無常の波がやんわりと彼方に押し流してくれているのです。無常である故に前進があり、変化があり、進歩があるのです。とは言え、東日本大震災も五年目を迎え、世情は夙に風化が著しく、復興は道半ばでやるべきことは山積しております。

そうした中に「いつまでも震災ではないだろう。」とか「俺たちの時代にはあと来ないだろう。」とかいう声も聞こえます。

こうした当事者の「こころの風化」は悲しく情けなく思います。

無常の嵐に呑み込まれて逝った人たちを目の当たりにした者にとって、五年はつい昨日なのです。無念の思いで去った人たちは私たちに「頼むぞ」と声なき声で語りかけているのです。今を生き行く私たちはその声に耳を傾け、どう生きるべきか、何を成すべきかを五年目を迎える新年に心新たに問わなければ、ならないと思うのであります。

海鳴りが今朝も聞こえる
胸の奥の砂浜に 波がきらめく
何気なく過ごす月日に幸せ感じて
ともに今生きてることの時を噛みしめる
幾万年も照らし続ける陽がまた昇る
彼方の空で見つめ続ける命に向けて
生き行くものよ顔を上げろ
今日が始まる立ち上がれ

0 件のコメント:

コメントを投稿